違法薬物問題で逮捕者3人を出した日大アメリカンフットボール部の廃部が決まり、波紋が広がっている。
11月30日には同部現役部員や、長年のライバル関係にある関西学院大OBが撤回を求めて署名を日大に提出した。アメフト界の大混乱をパイオニアはどう見るのか。
現役時代にNFLヨーロッパで活躍し、現在はパーソナルジム「JPEC TOKYO」の代表取締役を務める河口正史氏(50)が取材に応じ、廃部決定を厳しい言葉で一刀両断した。
――廃部が決定した
河口氏(以下、河口)むちゃくちゃだなと思ってます。大麻を吸った本人と部の責任者、隠ぺいした人がペナルティーを受けるのはわかる。だけど、クラブ自体がなくなるのは意味がわからない。何もやっていない部員は今後どうなるのか。
――以前のインタビューでも、連帯責任は不要だと述べた
河口 その考えは変わらない。一つは廃部になって、大麻を使用していない部員は今後どうするのかという話。もう一つは、大学としてこれから大麻使用者が出たクラブは、片っ端から潰していくのか。
――無実の学生は、罪を犯した学生とは切り離して考える
河口 絶対にそうでしょ、本当にわけがわからない。薬物を使用していないことを証明しろという話もあったけど、それなら他大学の部員も証明しろって話じゃないですか。それは絶対に無理だし、大麻を吸ってない証明なんてしようがない。
――学生の今後について
河口 個人、個人でいろんな方法があるのではないですか。転校やクラブチームに入るとか、そこは自分で選択したらいい。
――転校してプレーを続ける可能性もある
河口 もし、自分が他大学の監督だったら、日大生は全然ウエルカムです。大麻を使用していない学生まで一緒にするのはおかしいし、断る理由もない。
――米国で、学生がスポーツのために転校するケースは
河口(米国の)大学では当たり前にあって、試合に出られないって理由だけで転校する。同じポジションに、すごく期待された新人が入ってくるのが決まった段階で、転校するケースもある。だけど、そこに関しては廃部の話とは何も関係ないし、そもそも廃部になるのがおかしい。
――8月の会見時点で、部員数が123人。転校が実現しても、他の大学がこれだけの人数を受け入れられるのか
河口 大丈夫でしょ。(日大の部員を)欲しいと思う大学があれば、欲しくないという大学もあるだろうけど、人数的にはさばけると思う。
――11月27日に3人目の逮捕者が出た翌日に、廃部が決まった
河口 2人までなら良かったのか。人数の問題なのかもしれないけど、わけがわからない。2人と3人の差はなんだって話です。
――アメフト部OBに、かん口令が敷かれているとの報道もある
河口 これは、逆効果な気がする。「黙っとけ」と指示するのは、自分たちに非があるのを認めているようなもんですよね。何も非がないなら、しゃべるなと言う必要ないじゃないですか。
――競技スポーツ運営委員会が廃部を決定し、中村敏英監督から部員へ通達。大学から部員への説明はされていない
河口 どうせ部員が納得する説明はされないだろうから、あまり関係ない。
――リーグ優勝35回、学生日本一21回の伝統校を、廃部させてはいけないという考えは
河口 ごめんなさい、そこは全然関係ないです。多分、その感じとは、真逆のところで見ていると思います。自分の意見の中に、日大ブランドとかは別にないです。
――今回の騒動で、酒井健夫学長と沢田康広副学長の辞任が決定。大学側が火消しをするために、廃部にしたという意見もある
河口 本当にそれがおかしい。こんなの、トカゲの尻尾切りじゃないですか。
☆かわぐち・まさふみ 1973年2月19日生まれ。兵庫県出身。米サンクリメンテ高で競技を始め、立命館大卒業後にNFLヨーロッパに参戦し、3年目には「オールNFLヨーロッパ」に選出された。2002、03年にはNFLのサンフランシスコ・フォーティナイナーズのキャンプに招集され、日本人初の米国本土でのプレシーズンマッチに出場。人気テレビ番組「スポーツマンNо・1決定戦」(TBS系)でも活躍した。現在は、自身が設立したトレーニングジム「JPEC TOKYO」の代表取締役を務め、独自のトレーニングメソッドの普及に取り組んでいる。
https://news.yahoo.co.jp/articles/fb0104f46c2e5eb844628a5bdafc748158eeecac
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