サッカーのワールドカップ(W杯)で、日本が格上のドイツに勝利し、世の中はお祭り騒ぎの様相だ。だが、サッカーを詳しく知らない人は、このにわかの雰囲気に戸惑ってしまうのでは。みんな、そんなにサッカー好きだったの…。突然の盛り上がりを考えた。(特別報道部・木原育子)
「売り上げですか? そりゃもう…。ええ…ぐんっと伸びましたよ」
25日、東京都心にあるスポーツ用品店「スーパースポーツゼビオ」東京御茶ノ水本店。マネージャーの相馬裕介さん(46)の顔がほころんだ。この店では、日本代表のレプリカユニホームやタオルを並べた専用ブースを初めて設置。23日のドイツ戦の後の売り上げは開幕前の9倍だという。
その理由について「サッカー文化が真にドイツ社会に根付いているからだ。ドイツでは週末にサッカーの試合が必ずあり、サッカーを触媒にして地域社会が成り立っている。サッカーが日常の一部のドイツと、4年に1度の2週間だけ盛り上がる日本ではとらえ方が違う」とみる。
にわかの盛り上がり。否定はしないが、日本社会の特性もあるのか。千葉商科大の常見陽平准教授(労働社会学)は「周囲が盛り上がっていると、その雰囲気に合わせようという日本特有の空気感はある」と指摘しつつ、投げかける。「熱狂は怖さをはらむ。熱狂の裏で、五輪の談合疑惑の捜査が進むなど忘れてはならない問題もある。盛り上がっている時ほど冷静な視点も大切だ」
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/216151