習近平氏の唐突な「全世界安保」構想 太平洋進出の布石:日本経済新聞
習近平(シー・ジンピン)体制下の中国では外国人への監視が極めて厳しいうえ、新型コロナウイルス対策での入国規制も世界一ともいえる厳格さだ。そんな事情もあって最近、中国ウオッチを重要な任務とする各国の外交官らが東京に集結しつつある。その中国通の彼らさえ首をかしげる中国国家主席、習近平の壮大すぎる提言があった。博鰲(ボーアオ)アジアフォーラムの21日のオンライン演説で提唱した「グローバル安全保障イニシアチブ」である。
全世界を包み込む安全保障――。まるで、かつて中華世界の全てを仕切った皇帝を思わせる大ぶりな話だけに、各国に駐在する中国通の外交官らは本国から「一体どういう意味なのか」と解読を迫られている。とはいえ習自身の説明が、抽象的な漢語、成句の羅列にすぎないため、思うように分析できず、面食らうばかりなのだ。
ウクライナの外交・安保関係者も注目
東欧関係筋によると、習提言の中身を大いに気にしているのは、ウクライナの外交・安全保障関係者も同じだという。彼らは、習とロシア大統領、プーチンの親密さに厳しい目を向けながらも、ロシアに一定の影響力がある中国の立ち位置を逐一、観察している。停戦交渉を含めた中長期的なウクライナ情勢に影響するからである。
「一国主義、覇権主義、強権政治の脅威が増し、平和、安全、信頼、ガバナンス(統治)の欠如が目立ついま、人類が直面する安保分野の試練は大きく厄介になった。習主席は全人類の前途、運命を考える視点からグローバル安保イニシアチブを打ち出した。これは中国が提供する新たな国際公共財で、人類運命共同体という理念の安保分野での生きた実践である」
中国外務省報道官による事後説明も、すんなり頭に入ってこない。まさに言語明瞭、意味不明。得体(えたい)の知れない中身だからこそ、ウクライナを含む関係者の視線を集める不思議な現象が起きているのだ。
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https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK233DQ0T20C22A4000000/
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