1:名無しさん




中之峰(首塚山)の戦い(天文十七年 一五四八)五月のおり、東郷勢は出水領内深く進入し、出水方を攻撃しようと図ったが、これを察知した出水方武将島津忠兼は夜中にひそかに敵を包囲し、風上から火を放って攻め立てた。虚をつかれた東郷勢は七十三名の死者を出して敗退した。この敗戦の中、東郷勢の一武将が深い茅草の中で道に迷い、出水方に捕らえられ、のちに下田代で斬首された。

この武将はまだ若年で面白(おもじろ)の美青年であり、また斬首した時面白いほど多量の血が噴き出したという。このことから、後世のこ武将をあわれみ「面白殿(おもしろどん)」と呼び、その霊を祭ったものである。