1:名無しさん




 尾瀬の湿原や登山道には「木道 」がつくられています。尾瀬国立公園に ある木道をすべて足し合わせると、その距離は約65kmにもなります。 この木道は、湿原のとくにぬかるみがひどい場所に、丸太をおいて歩きや すくしたものが始まりで、その後、丸太を縦に割って平らにしたものや板 を並べるようになったといわれています。

 本格的に木道がつくられるようになったのは昭和27年頃で、尾瀬にた くさんの人がやってくるようになった頃でした。その後、湿原の裸地化 か (P28)が進んで湿原に植物が生えなくなると、湿原への踏み込みを防ぐ ために、木道が整備されるようになりました。木道の役割は「人のため」 から「自然のため」へと変化していったのです。

 湿原につくられた木道は、7〜10年ほどでくさったりこわれたりして しまいます。木道をとりかえる場合は、大きな機械が入れないので、ヘリ コプターで材料を運び、工事は手作業で行います。尾瀬の代表的な風景の一部になっている木道ですが、じつは多くのお金と人の手がかかっている のです。

https://www.pref.gunma.jp/uploaded/attachment/158109.pdf