60代女性記者が見た秋葉原のリアル 安ホテルに吸い込まれる制服女子たち、ファミレスでの擦り切れたジャンパー男性との会話
日本有数の電気街として知られ、観光地としても人気の東京・秋葉原。その裏通り“裏アキバ”には、また違った光景があるという。体験取材を得意とする『女性セブン』の名物ライター“オバ記者”こと野原広子氏が、秋葉原のリアルを綴る。<中略>
それから数日後のこと。
駅上のサイゼリヤにご飯を食べに行ったら、隣の席に40代とおぼしき男と女子高生が無言でスパゲティを食べていたの。ところどころ擦り切れているジャンパーを着て、もっと古びた黒いリュックをソファに投げ出している男は、どう見ても彼女の父親ではない。
「ケーキ、食べようかな」。女の子は顔に似合わない低い声で言うと、男は聞こえないフリ。それで女の子は「ケーキ」とだけ言って、注文用のタブレットを取ろうとしたら、男は「その分は自分で払えよ」だって。
2人はお金だけの関係を何度か続けてきて、だから男は女の子をサイゼリヤに誘ったと私は見たね。お互いに納得ずく。私がどうこう口をはさむことじゃない。わかっているけど、この切なさはなんなんだろう。
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