「投資の神様」ウォーレン・バフェット氏が日本株の追加購入に言及するなど、いま日本経済に注目が集まっている。エコノミストのエミン・ユルマズさんは「IMFやOECDの予測でも日本経済は2023年に先進国中もっとも強い経済成長率を打ち出すとされる。世界がインフレに苦しむ中、すぐ価格転嫁しない日本企業のやり方のほうが効率的だと世界が認め始めている」という――。(第4回)
※本稿は、エミン・ユルマズ『大インフレ時代!日本株が強い』(ビジネス社)の一部を再編集したものです。
毎年の新春号の特徴は、来期予想を見ながら2023年の相場を展望する号となることから、年4回のうちでもサプライズ企業を発掘しやすい。
今回取り扱うのは合計3888社。今期営業増益率は前号比「下振れ」でブレーキがかかる一方で、来期増益率は「上振れ」する形となり、23年は全体として強い相場になりそうである。
つまり、前号(3カ月前)と比べると、来期の見通しがよくなっている。
先進国の中でもっとも強い経済成長率を打ち出す
これは全体的なトレンドであり、実は2023年の日本経済の見通しは、どの先進国よりも強い。
IMF(国際通貨基金)が22年10月に出したGDP予想でもそうだし、その他の独立金融機関とかOECD(経済協力開発機構)が出しているものにおいても、基本的に日本は23年、先進国の中でもっとも強い経済成長率を打ち出すとされている。
業績予想全体をまとめてみると、3538社全体で今期は13.4%の増収になっている。今期とは2023年3月末までのこと。前号比(3カ月前)に比べると3.2%の上昇だ。
営業増益は15.9%上がっているのに、前号比では6.7%下げた。
前号比でトップラインが増えているのに、営業利益が下がったのは、コスト増が売上増より大きくなったことを意味する。
つまり価格転嫁を進めてはいるものの、まだコスト増のほうが大きいことを示している。
インフレが収まり、営業利益が回復していく
来期に関しては、3%増収、11.3%営業増益。3カ月前と見通しは変わっておらず、営業増益になっているということは、コストが減っているわけである。
つまり、2023年の4月以降の新年度は、いろいろな意味でインフレが収まり、コスト高、いわゆる原材料高が収まって、営業利益が回復していく予想なのだ。
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