日本の農産品輸出、初の1兆円超 日本旅行できず食品購入が増えたか
2021年1~11月の農林水産物・食品の輸出額(少額貨物含む)は、前年同期より26・8%多い計1兆779億円だった。政府が当面の目標とする年間1兆円を1カ月を残して初めて超えた。品質の良さなどが海外で評価され、コロナ禍でも需要が伸びている。
農林水産省が28日に品目別などの集計結果を公表した。好調だったのは、中国などで人気のホタテ貝(578億円、前年同期比103・2%増)、和牛などの牛肉(472億円、87・7%増)。海外で人気が高まっているウイスキー(432億円、77・8%増)、日本酒(358億円、73・5%増)も大きく伸びた。
輸出先の国・地域別では、(1)中国(2024億円)(2)香港(1977億円)(3)米国(1507億円)(4)台湾(1068億円)の順で多かった。
コロナの影響が一段落した中国や米国などで外食産業の需要が戻ってきたほか、家庭が日本の食品をネット通販で買う動きも広がっているという。コロナで日本に旅行に行けなくなった代わりに食品購入が増えた面もあるとみられている。円安も追い風になった。
「輸出1兆円」の目標は06年に第1次安倍政権が掲げた。12年には約4500億円だったが、その後毎年増え続けている。政府は「25年に2兆円、30年に5兆円」の目標を掲げており、予算や税制を使った支援を強化する。(五郎丸健一)
https://news.goo.ne.jp/article/asahi/business/ASPDX5K0TPDWULFA02L.html
農林水産物・食品輸出額の推移と将来目標
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