トンガ噴火は「桁外れに奇妙」、異常な巨大津波、少ない火山灰
予想よりはるかに複雑な歴史が明らかになるも、深まる謎
今回の噴火では、その規模に比べて噴出物の量が驚くほど少なかった。ニュージーランド、ビクトリア大学ウェリントンの火山学者で、フンガトンガ・フンガハアパイの歴史を研究するサイモン・バーカー氏によると、この火山の過去の大噴火によって噴出した火山灰の層は、近くのトンガタプ島で見ることができるが、その層は今回の噴火によって新たに堆積した層の10倍も厚いという。
また一部の科学者は、巨大だが短時間の噴火が、異常に大きな津波を引き起こしたのではないかと推測している。
津波は通常、海底火山の噴火に伴う海底地滑りや、地震に伴う地盤の急激な動きなど、海に沈んだ部分の急激な変化によって発生する。しかし、フンガトンガ・フンガハアパイの噴火後、カリブ海をはじめとする一部の地域では、通常の津波よりもはるかに早く波が押し寄せた。
遠方の海岸に後から押し寄せた津波も奇妙だった。通常の津波は、発生源から遠ざかるほど小さくなる。しかし、トンガに大きな被害をもたらしたものの、海の向こうの国々に到達した波の大きさを説明できるほどには、トンガに押し寄せた津波は高くなかったのだ。
「今回の津波は、太平洋全域での減衰が非常に少なかったのです。これは本当に珍しいことです」と、ニュージーランドの研究機関、GNSサイエンスの火山学者であるジェフ・キルガー氏は言う。
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