1:名無しさん




 首都圏のマンションの一室で、住民や管理会社従業員らが集まり、テーブル越しに向き合っていた。5月17日、土曜日の午後。大規模修繕のための委員会の会合だった。

 開始から30分近く。住民の1人が出席者の1人について、こう切り出した。「居住者とは違うんじゃないかという情報が私のところに来ている。今日確認してもらいたい」

 名指しされた男は「誰のどういう話。僕からしたらすごい心外なんですけど」と返した。他のメンバーも驚き、会議はざわついた。

 指摘した住民は、男が名乗っている居住者と、男の顔が違うことを根拠に挙げた。そして「すいませんけど、あなたは誰ですか」と迫った。

 男は「なんで僕だけそやって言われるんですか」と語気を強めた。他の参加者から、名誉毀損(きそん)の恐れがあるのでは、などといさめる声も上がった。だが、指摘した住民は引かない。

免許証は「持っていない」 保険証を取りに自室へ

 男は身分証を求められ、「免許証を持っていない」と言った。メンバーの間で、保険証を持って来たら疑いは晴らせるのでは、という話でまとまった。自室はすぐそこのはず。男は立ち上がり「1回ちょっと家に」と言い残して、部屋を出た。

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