渋谷区短大生切断遺体事件――平成事件史
2007年を迎え、世の中が正月休みを終えようとしていた1月3日の夜、東京・渋谷区の歯科医師宅で長女の短大生、Aさん(20=当時)の切断遺体が発見された。1階は歯科医院として使われており、2階と3階の居住スペースのうち、3階にはAさんの兄で予備校生の次男・橋本耕太(仮名・21=同)の部屋があった。遺体は十数箇所を切断されており、同室のクローゼットとキャビネット内に、黒と透明のポリ袋、計4つに分けて置かれていた。
https://bunshun.jp/articles/-/56670
妹を殺害した動機
このとき耕太は「妹から『夢がない』となじられたので、頭にきて殺した」と供述している。その後、台所の包丁と自室にあったのこぎりで、Aさんの遺体をバラバラに切断し、ポリ袋に入れた。床に落ちた血を拭き取り、包丁は元の場所に戻したという。大晦日、父親に「友人からもらった観賞用のサメが死んでしまったので、部屋からにおいがしても開けないで」と念を押し、予定通りに予備校の合宿授業に向かっていた。
「夢がない」の一言で、妹を殺害するまで、きょうだいはどのような関係にあったのか。何を思いながら、妹の遺体を切り刻んだのか。しかし、のちに行われた公判で、耕太の口からそれが語られることはなかった。<中略>
また家族は法廷でAさんについて「気が強く、攻撃的で、人の意見を聞かない。頑固で、感謝の念が欠けている」(父親の証言)、「勝ち気で、ヒステリックで、誇大表現があった」(長兄の証言)などと述べたほか、母親に至っては、Aさんが中学生の頃からリストカットを行なっていたことに気づいていながら「娘を病気と思うのがいやで、心療内科は受診させなかった」と、向き合わず放置してきたとも語っている。いっぽう、耕太に対しては家族全員が「寛大な措置をお願いします」と訴えていた。被害者であるAさんを悪し様に言い、加害者である息子を庇う家族から、そして「覚えていない」を繰り返す耕太から、Aさんへの思いやりはうかがえなかった。
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