1:名無しさん


本調査では、米カリフォルニア州を拠点とする心臓外科医307名を対象に、2003〜2018年にかけて133の病院で行われた冠動脈バイパス術(CABG)のデータを分析しています。

このとき、外科医の失敗は冠動脈バイパス術に起因する患者の死亡と定義されました。

また学習効果は、そのような失敗体験後の外科医のパフォーマンスの改善を通して評価されています。

そしてデータ分析の結果、ある一貫した興味深い傾向が見つかりました。

外科医のパフォーマンスは最初のうち、失敗の積み重ねに応じて向上したのですが、その後も失敗を繰り返していると、ある閾値を境に低下し始めたのです。

つまり、一定以上の失敗が蓄積すると学習効果が得られなくなることが示されました。

また失敗の蓄積によりパフォーマンスが下がり始める閾値は、それぞれの外科医に備わる「学習能力の高さ」によって左右されることも示唆されました。

例えば、同じ外科医でも高度な医学的訓練を受けていたり、専門的な患者ケアの知識や経験がある外科医は、そうでない外科医に比べて、失敗の蓄積でパフォーマンスが下がり始める閾値が高かったのです。

簡単に言い換えれば、繰り返す失敗に対して心が折れるのが遅く、失敗体験から学習効果が得られる期間がより長くなっていたのです(下図を参照)。

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https://nazology.kusuguru.co.jp/archives/150235