どうして警察の発表だけをもとに報道機関に呼び捨てにされて自分が報じられなければいけないのか。そう憤った一人の男性が1980年代、日本の報道に一石を投じた。
1984(昭和59年)1月、三重県鳥羽市で起きたゴミ収集車の死亡事故。その約3カ月後、鳥羽警察署が清掃会社社長の品野隆史さん(82)を業務上過失致死の疑いで書類送検したと記者会見で発表する。翌日、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞は品野さんを呼び捨てで報じた。この事件に限らず、当時は他の事件でも呼び捨てが当たり前だったいう。
これに怒った品野さんはその後、3社と三重県を相手取り慰謝料を求めて提訴。津地裁、名古屋高裁、最高裁のいずれも品野さんの訴えを認めなかったが、多くの報道機関は1989年から、逮捕時に呼び捨てをやめ「●●容疑者」とつけるようになった。
しかし品野さんは、それから40年近く経った今も納得していない。「報道機関は何を偉そうに“容疑者”と言うんですか。裁判所ではなく、なぜ報道機関が市民に判決を下すんや」と。(弁護士ドットコムニュース編集部・山口紗貴子)<中略>
●「実名、呼び捨ての形で表記した点に違法性は認められない」
品野さんは書類送検されたものの、結局は起訴猶予となった。
ついに品野さんは、朝日、毎日、中部読売、警察(被告は三重県)を相手取り、「呼び捨てと犯人扱いはけしからん」として、慰謝料1000万円を求めて津地裁に提訴した。提訴の記者会見には各社集まったが、報じた社は皆無だったという。
「ある新聞社では、記者が記事にしようとしたのに、デスクが『こんなことが知られたら、他にも何百という裁判を起こされる』として止められて大喧嘩になったと言うんですね」
裁判では報道部長らが証人に立って、呼び捨て報道に違法性はないとの主張を繰り返した。
代理人の中村亀雄弁護士によれば、裁判で被告側は「警察の発表した事実を正確に報道した以上過失がない」「被疑者の呼び捨ては数十年にわたる慣行であり、社会通念である」「匿名にすると逆に無関係の人々が疑われる弊害が生ずる」「公益をはかる目的だから違法性がない」などと主張したという。(出典:『法学セミナー』1988年01号)
裁判は津地裁、名古屋高裁、最高裁ですべて敗訴となる。最高裁小法廷は1999年3月2日、「報道に際し、実名により、かつ呼び捨ての形で表記した点に違法性は認められない、として二審の判断は正当として是認できる」とし、1、2審判決を支持し、上告を棄却した。
品野さんはこの判決について、「裁判官はバカだと思いましたよ。体制に応じた判決でしかない。慣例だからと惰性でやっている報道機関に“間違っているんや”と言って欲しかったですね」と悔しがるが、この裁判とともに報道のあり方に関する議論が活発化していった。
●「国民に判決を下してもらいたいんや」
「裁判の判決では負けても、国民に判決を下してもらいたいんや、と思っていました。裁判を起こしたことで、新聞社やらのシンポジウムに招かれて東京で話をさせてもらったり、いろいろな雑誌や書籍で私の言い分を聞いてもらったり。偉い大学の先生や弁護士さんに、そうだそうだ、品野さんの言っていることが正しいと言ってもらうこともありましたね」
1989年末には、ほとんどの報道機関が呼び捨てをやめ「容疑者」との呼称をつけるようになった。しかし、これにも品野さんは納得していない。
「なんで“容疑者”なんや、と。疑いがあるということやからね。それでなぜ、実名を出すんですか。せめて判決が下りるまでは“●●さん”や“●●氏”と呼べばいいんじゃないですか。無罪推定なんだから逮捕や書類送検時に公表する必要だってない。マスコミだって調べるわけではなくて、ただ警察の発表に基づいて、自分たちの推量で書いてますんや。判決が下りてから報じてもいいのではないですか。
大体、裁判所ではなく報道機関がなんで判決を下すんや。呼び捨てから容疑者と言うようになって変わったと思っているかもしれないですけど、自分たちが偉いという姿勢は変わっていないんじゃないでしょうか。弱い者を叩き、強い者に阿(おもね)って、商売の利益を優先する。それでいいんでしょうか」
現在81歳の品野さんは、今も新聞各紙を読み、社会や政治、報道のあり方に厳しい視線を送っている。
全文はこちら
https://www.bengo4.com/c_18/n_16945/
逆にメンバーとかの謎の呼称でもいいからと呼び捨てを避ける文化の方が気持ち悪い
さらっと書かれてるけど人が死んでるのに起訴猶予って検察が日和ったか
>品野さんは書類送検されたものの、結局は起訴猶予となった。
>>9
死んだ側に重大な過失ありなら
いくらでも判例あるだろ
マスコミが有罪と決めたら有罪なんだよ
推定有罪
賛同を得られるかはわからないけど筋は通ってる
起訴猶予って
無罪じゃん
このおっさんが事故を起こしたとかじゃなくて従業員がゴミ収集車につまった空き缶を取ろうとして鉄製のドアに挟まれて死んだのか
というか1984年に82歳で40年後とか今何歳って思ったら今81歳なのかw
裁判員制度はじまる時にバイアスかからないようにメディアは無罪推定の原則を今までより重視するって言ってたけど変わらなかったよな
>>24
裁判員制度ってアカは市民が死刑判決など支持しないから死刑廃止につながると思いこんでいたが
蓋を開けたら死刑判決は以前より増加したんだっけ
最終的には高裁最高裁があるから何も変わらないが
>>52
死刑どころか量刑も
それまでの相場からマシマシになったんだな
わりとその通りだと思うよ
ロス疑惑の時の三浦和義は色々マスゴミを訴えて勝ってたよね?
>>37
三浦和義「元社長」は笑った。マスコミあたま悪い
>>37
手錠にモザイクかかるようになったのも三浦和義が訴えたから
呼び捨てはまあいいけど、司会者とかメンバーとかやるから。
>この事件に限らず、当時は他の事件でも呼び捨てが当たり前だったいう。
そうそう
これはその通りだわ
否定できる言い分が何もない
警察も検察も裁判所も呼び捨てにしてるからね
前から思ってたな
容疑者で顔と名前晒されて無罪とか冤罪だったらマスコミを訴えてもいいんじゃないか
マスコミが被告って言葉を間違って犯罪者に使ってるから
民事で訴えられて被告って呼ばれた人がブチ切れたって話もあったなw
たしかに報道やマスコミは
推定無罪を最近忘れてる?
むかしは呼び捨てだったのかよ
すげーなマスゴミ
いまだに勘違いしてんもんな
>>93
昭和の頃は呼び捨て
何か肩書を付けようということで「容疑者」というマスコミ用語が造語された
>>93
記者無記名もまかり通っていた
まごうとなき「大企業病」「特権階級」「活動家クズレ」でしたよ
このおじいさんは大企業病に猛烈に怒り狂ったのでしょうね
「メンバー」とか付けたらいいね
容疑者=確定犯では無いから正確な呼称だよな
>>114
正確な呼称は被疑者
報道での人物名は一切合切呼び捨てでいいと思うけどな