15日に海底火山の大規模噴火が起き、津波に見舞われた南太平洋の島国トンガに、飲料水などの支援物資を乗せたニュージーランド(NZ)海軍の艦艇2隻が21日に到着する見通しとなった。
現地では火山灰や津波による塩水で飲料水の水源が汚染されている。赤十字は、コレラなどが発生するリスクが高まっており、安全な飲料水確保が当面の優先課題だと説明している。
国連などの機関や他の国々も支援計画を立てている。中国外務省報道官は、トンガの国際空港が再開して支援物資の輸送が可能になった時点で、水や食糧を送る方針を示した。空港では積もった火山灰を取り除く作業が進められているが、難航しているという。
オーストラリアとニュージーランドは直ちに資金援助を行うと表明。米国際開発庁は被害を受けた人々への即時支援として10万ドルの拠出を承認した。
15日の噴火に伴う津波では小さな離島で数百棟の住宅が倒壊し、これまでに少なくとも3人の死者が確認されている。
トンガ政府によると、ハーパイ諸島が最大15メートルの津波に襲われ、マンゴ島では全住宅が倒壊。本島であるトンガタプ島の西岸でも住宅56棟が倒壊もしくは大きく損傷した。
ニュージーランドによると、電力は復旧し、被害状況の調査が進められているという。
アジア開発銀行の幹部はロイターの取材に対して、トンガの緊急事態宣言や1000万ドルの災害資金援助枠活用について協議中だと語った。
噴火に伴い海底ケーブルが切断され、通信はほぼ途絶えている。
NZ外務省によると、通信会社デジセルが南太平洋大学の衛星アンテナを使ってトンガタプ島に暫定的な通信システムを構築した。これにより2G接続が可能になるが、接続状態は不安定で、通信容量も通常の10%にとどまる。
同省によると、海底ケーブル敷設業者の米サブコムは、海底ケーブルの普及には少なくとも1カ月はかかると予想している。
ソース https://news.yahoo.co.jp/articles/8524f3a9f46ee056035ca3921ec40df6bea40d57