お茶の産地といえば静岡。ところが、60年の歴史が覆り「一番茶」の生産トップが鹿児島になりました。「静岡茶再生」に地元が揺れています。
●静岡「一番茶」首位陥落
22日に訪ねたのは静岡市にあるお茶の卸売業者です。
川連斡旋 大石裕代表取締役
「これが静岡の一番茶。それが鹿児島の一番茶、さえみどりだ」
「(Q.違いますね)違うでしょ?」
大石さんが全国の茶園から集める一級品の茶葉。今特に売れ行き好調なのが…。
「鹿児島がこれだけ売れるようになったのは3年くらい前。それが今、静岡でも重宝されている」
大石さんが取り扱う茶葉の品種も静岡産は2種類ですが、鹿児島産はおよそ20種類。この品種の差が60年の歴史を覆しました。
新茶と呼ばれる、その年最初に伸びる新芽を摘み取って作られた一番茶。その生産量が19日に発表されました。
静岡は過去最低の8120トン、鹿児島の8440トンに320トンの差をつけられ、統計史上初めて首位の座を鹿児島に奪われました。
●世界で「抹茶ブーム」増産で明暗
どうして鹿児島に追い抜かれたのでしょうか?
「(鹿児島の)品種が多い。交代でも(お茶を)生んでいけるから、そういう設備にした。それが今、実っている」
静岡ではお茶の収穫期間は3カ月。それに対して鹿児島では品種が多い分、収穫期間が半年もあります。さらに…。
「鹿児島の方が情報発信が早い。2年くらい前から設備投資し準備して、この碾茶(てんちゃ)部門になっている。そういうのを見越してきている」
世界では今、日本食ブームと円安の影響で抹茶人気が加速。抹茶のもととなる碾茶を鹿児島がいち早く増産することで、売れ行きが急上昇しています。
先週、静岡市内で行われたお茶の生産農家たちの話し合いでも、抹茶ブームへの危機感が聞こえてきました。
お茶農家 参加者
「お茶といえば静岡という話で育ってきているので、海外の視野を向けていかないと厳しいのかなと思う」
小売業者 参加者
「みんな碾茶ばかり作ってしまうと、お茶の原料がなくなってしまうので、バランスが難しい」
https://news.yahoo.co.jp/articles/68c2f1beaa600678248ebe27ad3ad8e59fba37c6
