1:名無しさん




日本酒のラベルには、ほとんどの場合「賞味期限」が記載されていないことに気づいた方も多いかもしれません。これは、日本酒を含む酒類全般が、法律上、賞味期限表示の義務から除外されているためです。その理由の一つが、アルコールによる強い殺菌作用にあります。一定以上のアルコール度数があることで、通常の食品のように短期間で腐敗が進むことはなく、比較的長期にわたる保存が可能とされているのです。

その代わりとして、日本酒のラベルには「製造年月」が記載されています。もっとも、2023年(令和5年)1月1日からは、この製造年月も「任意記載事項」となり、必ずしもすべての銘柄に記載されているわけではなくなりました。ただし、現在でも多くの酒造メーカーが自主的に製造年月をラベルに残しており、購入時の目安として活用されています。

ここで注意したいのは、「製造年月」とは、その日本酒を“しぼった日”ではないという点です。日本酒は、しぼりの工程を終えた後に、ろ過や火入れ(加熱処理)、熟成といった複数の工程を経て、最終的に瓶詰めされます。つまり、「製造年月」とはこの瓶詰めを行った時期を指しており、しぼりから少し時間が経っている可能性もあります。

なお、日本酒以外にも、ワイン、焼酎、ウイスキーなどの酒類には、基本的に賞味期限が表示されていません。これも同様に、アルコールによる保存性の高さが理由です。ただし、開封後は風味の劣化や酸化が進むため、早めに飲みきるのが理想とされています。

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