1:名無しさん



 
首相の盟友、政権の屋台骨、首相の精神安定剤――。長期政権として記録を更新する安倍晋三政権において、副総理・財務相の麻生太郎を評する言葉はさまざまだ。初当選から2019年で40年。思わぬ形でインターネットに日本で初めて刺さった政治家にもなった。今でこそ政権のど真ん中に存在するが、かつては非主流派として長くもがいた時代があった。
 
06年9月9日夕、東京・秋葉原駅前で開いた自民党総裁選の街頭演説。場所は今では人気アイドルグループ「AKB48」のショップがある駅前広場だ。安倍晋三、谷垣禎一に続いて最後に演説した麻生は冒頭「秋葉原駅前の皆さん、そして自称『秋葉原オタク』の皆さん」と呼びかけた。麻生の演説がキャプテン翼などの話にさしかかると、それまで足早に歩いていた若者が1人、2人と足を止めて演説に耳を傾け始めた。
 
当時まだ日本語版のツイッターはなかった。麻生の発言は「2ちゃんねる」などで拡散され、掲示板では「とうとうオタクも市民権を得た」「俺たちの麻生太郎」といった好意的な書き込みが相次いだ。総裁選での安倍優勢は変わらなかったが、演説翌日、ネット上での反応について報告を受けた麻生は予期せぬ反応に驚くとともに、麻生を支えてきた周囲も将来への手応えを感じていた。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40547750Y9A120C1PP8000/