日本基督教団は左寄りなのか?
服部 弘一郎/映画批評家 2026年9月19日 10:57
「日本基督教団には左寄りの教会が多い」というのは、たぶん事実だと思う。しかしそれは「共産党の影響」などではなく、単に教会が高齢化しているからだと思います。
https://note.com/eigakawaraban/n/n8423ca45e9ed
映画批評家の服部弘一郎氏は、9月19日に公開した記事で、日本基督教団に「左寄り」とされる教会が多いという見方について触れ、その背景として教会員の高齢化を挙げた。
服部氏によれば、日本の教会では高齢化が進んでおり、礼拝に集まる信徒の多くが70歳以上というケースも珍しくないという。自身も60歳を迎えたが、さまざまな教会を訪れる中で、自分より年上の信徒と接する機会が多いと説明している。
こうした高齢の信徒には、社会問題への関心が比較的高い人もいる。服部氏が指摘するのは、そうした世代が長年にわたって接してきたテレビ報道などの影響である。
具体的には、久米宏氏や古舘伊知郎氏が出演していた「ニュースステーション」、筑紫哲也氏がキャスターを務めた「NEWS23」、現在も続く「サンデーモーニング」などが挙げられている。服部氏は、こうした番組に代表される「中道よりやや左」とされる報道姿勢が、現在の高齢信徒の社会問題に対する感覚にも影響しているのではないかと論じる。
ここで重要になるのが、日本社会全体の政治的な位置づけの変化だ。かつて「中道よりやや左」と受け止められていた考え方が、社会全体の政治的な立ち位置が変化したことで、現在では以前よりも左寄りに見えるようになった可能性があるという。
この見方に立てば、日本基督教団が現在「左寄り」と認識される理由を、必ずしも教団内部に特定の政治勢力が強い影響力を持っていることだけで説明する必要はない。世代構成と、それぞれの世代が長年形成してきた社会認識の違いも、一つの要因として考えられる。
また、服部氏は、日本基督教団だけが特に政治的な左派色を持っているという見方にも疑問を呈している。日本のキリスト教会は教派を問わず高齢化しており、同様の世代構成を持つ教会では、程度の差こそあれ似た社会意識が見られる可能性があるためだ。
実際に服部氏が複数の教会を訪れた経験では、日本基督教団に限らず、教会内で政治的な話題が頻繁に取り上げられるわけではないという。政治的な話題がタブーになっているというより、信徒同士の日常的な関心事が別のところにあるという。
高齢化した教会で話題になりやすいのは、健康や家族、介護などの問題だ。しばらく姿を見せない信徒について、「入院した」「介護施設に入った」「子どもと暮らすために引っ越した」といった話が交わされる。礼拝後にお茶会や食事会を開く教会もあり、教会生活の中心は必ずしも政治的な議論ではない。
この点から見ると、「日本基督教団は左派的な教団である」「共産主義者の集まりである」といったイメージと、実際の教会の日常との間には、一定の隔たりがあると考えられる。
