ナイキ株が9日続落、上場以来の長期下落-中国懸念と在庫増響く
22日の米株式市場で米ナイキの株価は9営業日続落し、1980年12月の新規株式公開(IPO)以来の長期下落となった。中国の消費回復の遅れを巡る懸念が高まっているほか、商品在庫増加が引き続きスポーツウエア業界全体の収益性を圧迫している。
ナイキ株は前日比1.4%安の101.46ドルで終了。同社の顧客でもある米スポーツ用品小売り業者ディックス・スポーティング・グッズが発表した5-7月(第2四半期)決算は期待外れな内容となり、通期利益見通しも下方修正された。同社は店舗での窃盗の増加が一因だとしている。
ナイキにとって重要な成長市場である中国で、消費の回復失速の兆しが増えている。7月の小売売上高は前年同月比2.5%増と前月から伸びが鈍化し、予想中央値の4%も下回った。
ミラー・タバクのチーフ市場ストラテジスト、マット・メイリー氏は「投資家は中国の成長が鈍化するという事実に気づきつつある」と指摘。中国が従来ほどの成長てこ入れ策を講じないことも分かってきていると述べた。
ナイキの時価総額は現時点で1550億ドル(約22兆6000億円)。最近の株価下落で130億ドル近く目減りした。同社株は年初来で13%安。S&P500一般消費財・サービス株指数が29%上昇しているのとは対照的だ。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-08-22/RZTARDT1UM0W01