15日の欧州株式市場でスイスの金融大手クレディ・スイス・グループの株価が急落した。筆頭株主のサウジ・ナショナル・バンクが追加投資をしないと報じられたことがきっかけだ。クレディは14日に過去の財務報告の内部管理に「重大な弱点」があったと発表しており、経営不安が強まっている。
クレディ株は一時前日比0.533スイスフラン(24%)安の1.707スイスフランまで下落し過去最安値を更新した。2022年10月に同社の増資引き受けを発表したサウジ・ナショナル・バンクの会長が15日、追加投資について「絶対にない」と答えたと米ブルームバーグ通信などで報じられた。
22年度の財務諸表の監査を担当したプライスウォーターハウスクーパース(PwC)は、内部管理の有効性について反対意見を表明した。米シリコンバレーバンク(SVB)の破綻の契機となった銀行の保有債券の含み損に対する警戒が欧州にも波及し、経営不安で資金流出が続いたクレディの株価は過去最安値圏で推移していた。
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