イギリス史上最高額の財宝、2584枚の銀貨を発見
英国が1996年に財宝法を制定したのは、まさにこのような出来事を想定してのことだったのだろう。英国内で発見された財宝については、地方博物館および国立博物館が優先的に買い取る権利をもっている。
先日、英国のサウスウエスト・ヘリテージトラストはこの法律に則り、大英博物館に展示される予定の2584枚の銀貨の買い取りを決めた。その金額は総額560万ドル(約8億4000万円)。英国で発見された財宝として最高額を記録した。
「驚くべき宝の山は、わが国の豊かな歴史と、そのなかで起きた特に大きな歴史事変の一時代、つまり、このブリテン諸島がノルマン・コンクエスト(1066-68年にノルマンディー公ウィリアムがイングランドを征服し、ノルマン王朝を樹立した出来事)による混乱の渦中にあった時代について、これまでにない洞察を与えてくれるものです」と、文化遺産大臣のクリス・ブライアントは語っている。
2019年に発見された銀貨の山は、その現場にちなんで「チューバレー埋蔵金(Chew Valley Hoard)」と呼ばれている。イングランド南西部の農耕地を金属探知機で探っていた7人のトレジャーハンターたちが、ノルマン・コンクエストの時代(1066~1068年)の銀貨を掘り当てたのだ。
「まず出てきたのがウィリアム征服王(ウィリアム1世の別名)の銀貨でした。これ1枚で1000ポンドから1500ポンド(約20~30万円)の価値です」と、発見者の一人アダム・ステイプルズ氏が大英博物館のイベントで語ったとAP通信は報じている。「驚きの発見でした。1枚だけでも年に一度というほどの大発見です。すると、もう1枚出てきました。もしかするとあと5枚くらいあるかも、いや10枚? …と掘るうちに、ザクザク大量に出てきたのです」
https://news.yahoo.co.jp/articles/89b2a55c208fb551d890f0af8433f272265edf99