・女性アイドルグループ「NiziU」の韓国デビューの出足が好調だ。
・グローバル化を推進してきたK-POPの逆輸入で、日本発の「カワイイ」を前面に打ち出している。
・完璧な歌とダンスをウリにしてきた従来のK-POPにはない価値観は、激しい競争が社会問題となっている韓国にとって「救い」となるか?
(平井 敏晴:韓国・漢陽女子大学助教授)
女性アイドルグループ「NiziU」が10月30日に韓国でデビューした。NiziUはオーディションを勝ち抜いた日本人9人で構成されるガールズグループで、所属事務所はソウルにあるJYPエンターテインメント(以下、JYP)。その創設者で歌手でもあるパク・ジニョン氏がプロデュースしている。
今回の韓国デビューは、2020年12月の日本デビューから3年近くのタイムラグがあったが、出足は好調だ。11月はじめには、韓国の地上波テレビ3局すべてに連日出演し、韓国デビュー曲「HEARTRIS」を披露した。
ネットメディアではメンバーの素顔を紹介するインタビュー記事や、地上波テレビでの出演について高く評価する記事が掲載されている。韓国の音楽番組で1位を獲得したほか、YouTubeの再生回数も11日午前2時には5000万回を突破した。ネット上では「待ちに待っていた」といった好意的な内容のコメントが目立つ。
韓国デビューで特に印象的だったのは、KBSの音楽番組「ミュージックバンク」(3日)と、その翌日のMBCの音楽番組「Show! Music Core」(4日)への出演だった。パフォーマンスを披露するNiziUの背後に横長のディスプレイが置かれ、そこに韓国のミレニアル・Z世代が抱く日本の「カワイイ」や、アメリカ的な「Cute」を連想させる映像が、それぞれの番組で映し出されたからだ。
もちろん、それらが日本やアメリカで見られる、本家の「カワイイ」や「Cute」であるのかどうかは問題ではない。それが本家とはかけ離れていたとしても、韓国のミレニアル・Z世代は今、そういうかわいらしさを求めている。NiziUの韓国デビューはまさに、そうしたミレニアル・Z世代を明確に意識していることは明らかだろう。
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