國武悠人氏は、慶應義塾大学環境情報学部を卒業後、同大学院政策・メディア研究科修士課程を早期修了。現在は筑波大学大学院システム情報工学研究群の博士後期課程1年に在籍し、政策研究大学院大学でも履修している。専門はデジタル時代の消費者保護で、ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)や法学・社会学分野の論考も発表している。消費者庁令和6年度消費者支援功労者表彰で「内閣府特命担当大臣表彰」を受け、情報処理学会HCI研究会貢献賞や大学入試関連の発表賞なども受賞。慶應義塾の塾生議員を務めた経験があり、地方自治体の男女共同参画推進委員会や情報公開関連審議会の委員、ISO/TC 324(シェアリングエコノミー)の国際エキスパートなど公的活動も多い。自身を「人権派」と位置づけ、特に大学入試の女子枠については、性差別や実力主義の観点から批判的な論考をアゴラや現代ビジネスなどで継続的に発表している。会社経営も手がけており、経済的独立性を強調する発言が多い。
根本俊介氏は、いわき明星大学理工学部電子工学科を経て同大学院、埼玉大学大学院理工学研究科で学び、2018年に博士(工学)を取得した。神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)電子技術部電子デバイスグループの主任研究員を務めている。以前は産業技術総合研究所(産総研)でナノエレクトロニクスや3D集積システム関連の研究に従事し、ルネサス関連企業でも勤務した経験を持つ。
諍いの発端は2026年8月20日頃、國武氏が芝浦工業大学の2026年度新入生女子比率が30.8%(国内の工業大学で初めて30%を超えた)との発表を引用した投稿である。國武氏は「ガバガバ女子枠と提携女子高への指定校推薦大量配布で『多様性』の確保に成功したようです。『人権よりも多様性』という芝浦工業大学さんの覚悟に感動いたしました。……30%到達したということは女子枠は目標達成ということでやめるんですよね?」と皮肉を込めて批判した。同大学は2018年から女子特別入試を導入し、奨学金や女子校との連携を進めてきた経緯がある。
これに対し根本氏は、「慶應義塾大学も慶應義塾女子高等学校から95%以上内部推薦制度で進学しているので人権より多様性を進めているのでは? そのような需要があるのではないでしょうか。理工学部への進学数も多いようで良いことだと思いますけれども」と返信した。慶應の附属校からの内部進学率が高い事実を挙げ、特定の大学だけを批判する姿勢を相対化しようとしたものだった。
國武氏は「慶應の附属って男子校の方が多かったような…?(それを問題と指摘する向きはある)」と応じ、議論はさらに広がった。その後、根本氏は國武氏に対し、より直接的な忠告を発した。「女子枠を軸にし注目を浴びるように行動をしていますが、『多角的に考えよ』と様々な人が意見をしたと思います。実家が太く就職する必要がないならば良いのですが、博士課程に進学したならばアカデミア希望ですよね。将来の共同研究者になり得る人や就職先になり得る所を攻撃する様なことは辞めた方が良いと思います。Xのフォローする人で、あなたの人生を守ってくれる人は少ないでしょう……論文執筆等でご活躍しているにも関わらず常にもったいないなぁと思います」。SNSでの批判的発信が将来の就職や共同研究に悪影響を及ぼす可能性を指摘した内容である。
國武氏はこれに対し、「学問的好奇心はありますが、進路にこだわりはありません。経営者としてそれなりの収入を得ているからこそ、権力を恐れず自由闊達な研究ができているのです。アカデミア一本であれば、権力者に擦り寄り、女子枠を擁護するのが得策です。それをせずに啓蒙活動を行うのは、人権派としての覚悟です」と反論した。経済的基盤があるからこそ自由に発言できるという立場を明確にし、批判を「啓蒙活動」と位置づけた。
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