民放でドラマ枠が増加している理由 「バラエティー量産時代」が終えん?
夏本番を前にして、すでに民放各局は秋ドラマの準備に余念がない。何でも今年は“豊作”を期待して、各局が「テレビの原点」に立ち返った大胆な編成を進めているというのである。
10月から始まる民放各局の秋ドラマ。最多となる週8枠を設ける予定なのがフジテレビだ。次いでテレビ朝日も日曜夜9時台にドラマ枠を新設し、日本テレビと並び週7枠。TBSも週6枠と、秋の番組改編はドラマ花盛りとなりそうだ。<中略>
◆動画配信による収益確保が重要課題に
実は「王様」は、見逃し動画配信サービス「TVer(ティーバー)」で、お気に入り登録者数130万人超の好成績を収めている。近年、動画配信の再生数が新たな指標となっており、平均視聴率が1桁と振るわなかった長澤まさみ主演の「エルピス」(フジ系)や、広瀬すず主演の「夕暮れに、手をつなぐ」(TBS系)などが、高く評価されているのだ。
コラムニストでテレビ解説者の木村隆志氏に聞くと、
「動画配信を利用するのは主に若年層ですから、その世代に支持される橋本さんのような若い俳優を各局は起用したいと考えています。視聴率獲得が難しくなってCMによる放送収入が減少する中、動画配信における収益確保は重要課題です。初回から見直したいと思わせる連続ドラマを量産できれば、FODなど民放各局独自の有料動画配信サービスの会員増加も見込めます」
対照的な例が、昨年の秋ドラマ「相棒season21」(テレ朝系)と「silent」(フジ系)である。
「後者の視聴率は前者の半分程度だったのに、動画配信の再生数は600万回超と驚異的な数字でした」
そう話すのは、メディアアナリストで次世代メディア研究所の鈴木祐司代表だ。
「刑事モノなどの視聴者はネットに疎い高齢者層が多く、恋愛モノは同世代の若者が観ていることを示す象徴的な例でした。若年層をターゲットとする広告主がどちらに出稿したいかは明らかで、各局は配信を通じたネット広告の収入に大きな可能性を見いだしています」
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https://news.yahoo.co.jp/articles/87c1972f98fbd1ba07593cc9fe1d782107d1be56