「少数与党」で厳しい政権運営が続く石破首相。臨時国会では野党の協力を得て、補正予算や政治資金規正法の再改正はなんとか成立までこぎつけた。しかし決戦の「本番」は来年の通常国会で、その展開は見通せない。不安定な政治状況から、与野党双方から「政権は一体いつまで続くのか?」という声も聞こえる。
■野党の本音(1):「石破首相のままで参院選を戦った方が有利」
参院選を見据えた本音について、ある野党幹部は「新しい顔が高市氏や小泉氏になって、大負けするのが一番怖い」と話す。立憲中堅も「石破首相のままできてくれないと困る」と続投を望んだ。刷新感ある「新しい顔」になるより、石破首相のままで参院選を対決したいというのが本音のようだ。
対する与党側。6割が「参院選まで続く」と答えた一方、4割の「交代」を望む声の中には「参院選」を意識した声が多かった。参院選を戦う自民中堅は「石破首相では勢いが足りない」別の自民中堅は「衆議院がいいと言っても参議院が石破首相の続投を許さないだろう。参院選までに総裁選があるのでは」と予想する。さらに、ある幹事長経験者は「首相がそのまま東京都議選・参院選を迎えられるイメージはない」と率直に漏らす。
参院選を意識し、野党側は「石破首相で戦いたい」、自民党側は「別の顔で戦いたい」という本音が取材から浮かび上がった。
■野党の本音(2):「少数与党の中で求められる、野党の戦い方」
「石破総理の首(=退陣)なんていらないし、取りにいかない。まだ野党が総理の首を取りたがっているという前提自体が、いまの国会状況においてナンセンスだ」国会運営を取り仕切るある野党幹部はそう力強く答えた。その人物が続ける「我々の要求を与党にどれだけのませるか、それが問題だ」。
今回の取材で新たに浮かび上がったのは「少数与党国会」での野党の戦略の変化だ。通常、国会で野党は首相退陣を迫ることが多いが、「従来のスタイルは古い」との声が出ている。
臨時国会で野党側は与党側に協力する条件として、自らの政策を受け入れさせ法案に反映させた。立憲民主党は補正予算で「能登の復旧・復興費用1000億円積み増し」を与党側にのませた。国民民主党は「年収103万円の壁の引き上げ」で、日本維新の会は「教育無償化の協議」で与党側と合意した。それぞれの野党が、自らの政策を相手にのませる「果実」を得た形だ。
ある野党幹部も「石破首相には野党の意見を聞くという姿勢もある。内閣不信任案含め、それを見て対応を決める必要がある」と指摘した。少数与党で野党が求めるのは「首相の退陣」でなく「野党の政策の実現」に変わった面もあり、結果として多くの野党議員の「首相が参院選まで続く」という見方に繋がったと言えそうだ。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/12860762ead125498679682370de28bf9dd9c9a1
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