1:名無しさん


 生物学の教科書には、生物界を三分する細菌・古細菌・真核生物のうち、空気中の窒素を生命が利用できる形に変換する窒素固定ができるのは 一部の細菌と古細菌だけだと記されています。新たに、真核生物に属する藻類の一種が細胞の中に窒素を固定する細胞小器官(オルガネラ)を持つことが判明したとの論文が発表されました。ミトコンドリアや葉緑体のように、元は別々の生き物が共生関係を超えて細胞小器官へと進化したのは、長い生物の歴史の中でこれが4例目とされています。<中略>

今回の新たな細胞小器官の特定は、数十年来の謎に長年取り組んできた科学者らによる国際的な協力の結晶です。1998年、カリフォルニア大学サンタクルーズ校のジョナサン・ゼア氏らは、太平洋の海水から未知の窒素固定シアノバクテリアのものと思われるDNA配列を発見しました。ゼア氏らは、「UCYN-A」と名付けられた謎の生物の研究に何年も費やしましたが、その宿主であるBraarudosphaera bigelowiiという藻類の培養ができないため、研究は思うように進まなかったとのこと。一方日本では、高知大学海洋コア総合研究センターの古生物学者である萩野恭子氏が、300回以上のサンプル採集と10年以上の歳月をかけて最終的にB. bigellowiiの培養に成功し、これが研究の突破口となりました。

本格的なUCYN-Aの研究に着手した科学者らは当初、UCYN-Aと宿主の藻類は共生関係にあると考えていました。しかし、2024年3月から4月にかけて科学誌のCellとScienceで発表された個別の研究により、論文の著者らは「UCYN-Aは共生を経て宿主と共進化し、細胞小器官となるに至った」ことを解明し、その窒素固定細胞小器官を「ニトロプラスト(nitroplast)」と名付けました。

ある生物が別の生物の細胞にたまたま入り込んで共生している状態から、細胞小器官として宿主の一部になったと定義するには、2つの重要な基準を満たす必要があります。それは、問題の細胞構造が世代を通じて受け継がれることと、その構造が宿主細胞から提供されるタンパク質に依存していることです。

研究者らはまず、宿主の藻類が増殖する過程を観察することで、細胞分裂の直前にニトロプラストも分裂し、次の世代へと受け継がれることを突き止めました。また、宿主細胞とニトロプラストの増殖が栄養塩の交換によって制御されることも実証し、両者の代謝が連動していることを明らかにしました。さらに、プロテオーム解析を用いたタンパク質の分析により、単離されたニトロプラストのタンパク質と宿主の細胞全体のタンパク質を比較した結果、宿主の細胞で合成されたタンパク質がニトロプラストに送られ、ニトロプラストが持っていない機構を補完することも判明しました。

2024年4月のScienceの表紙を飾った論文の筆頭著者であるタイラー・H・コール氏は、「このような形で細胞小器官が発生することは非常にまれです。最初にこれが起きたのはミトコンドリアで、この出会いが私たちのようなあらゆる複雑な生命が誕生するきっかけとなりました。10億年ほど前、葉緑体でも同じ事が起き、それが今日の植物となっています」と話します。

同様のケースの3例目は、光合成をするアメーバであるパウリネラ・クロマトフォラで、ニトロプラストはミトコンドリアから数えて4例目です。ゼア氏は、今後も似たような進化をたどった生物が見つかると予想していますが、ニトロプラストはこの種の発見としては史上初であるため、将来の教科書に載る発見だと考えています。

この発見はまた、農業に革命をもたらす可能性も秘めています。大気中の窒素から肥料を作り出す技術であるハーバー・ボッシュ法は、世界の食料生産の約50%を支えていますが、同時に大量の二酸化炭素も発生させてしまいます。そのため、研究者らは自然の窒素固定を農業に採り入れる方法を長年にわたり研究してきました。

コール氏は「ニトロプラストは窒素固定に関する新しい視点となり、このような細胞小器官を作物植物に組み込む方法についての手がかりを与えてくれるかもしれません」と話しました。

https://gigazine.net/news/20240412-nitrogen-organelle-nitroplast/

 

4:名無しさん


一部なの?
その辺の雑草のカラスノエンドウとか窒素固定するんじゃ無かったっけ

 

9:名無しさん

>>4
それは根にいる窒素固定菌との共生

5:名無しさん


教科書印刷業界「これで30年は戦える」

 

8:名無しさん


実現させたらノーベル生理学賞取れるかもな
でも先にとんでもない研究やらかすのが出てイグノーベル賞で笑かして欲しい

 

11:名無しさん


しかし高等植物にニトロプラストを入れるのは無理だと思う
そもそもニトロプラストがあるのは特殊な藻類だけなんだから
それが一般的になるなら、長い進化の間に高等植物はニトロプラストを取り込んでたはず
その方が増殖に有利なんだから
そうならなかったということはある特殊な条件でしかニトロプラストは細胞小器官になれないってこと

 

12:名無しさん


宿主側にもニトロプラストに栄養等の資源を供給する仕組みが必要だし、一般化は難しいだろう
それができるぐらいなら、動物に葉緑体を移植することもできるはず

 

13:名無しさん


それもいいけどバクテリアから石油作れるって話はどうなったんだよ
それと同じで結局コストや制御が難しいとかで無理なんじゃね?

 

14:名無しさん

>>13
空中窒素を固定するだけなら、工業的にやった方が簡単で効率的
今回はあくまでも進化生物学的な発見の話だよ

16:名無しさん


培養なんかしなくても、石炭から作る石灰窒素や硫安で十分
なんで海水中で窒素固定できる藻がほぼないのかは
考えてみたら当たり前のこと、そんなものをもし大量に作ったらどうなるかも自明の理

 

18:名無しさん


ニトロプラスなら知ってる

 

22:名無しさん


空気の窒素から肥料作る従来の方法でよくない?

 

25:名無しさん


空中窒素固定装置く

 

26:名無しさん


そんなもん
蓮華を植えたら畑が肥えるて何百年も前から

 

42:名無しさん


>>1
> ミトコンドリアや葉緑体のように、元は別々の生き物が共生関係を超えて細胞小器官へと進化したのは、長い生物の歴史の中でこれが4例目とされています。

細胞核も共生で生まれたんだっけ?

 

47:名無しさん


マメ科植物「俺らの独占技術が…」

 

50:名無しさん


>>1
ドイツ系の窒素固定肥料の作り方を新たに発見したってこと?
窒素だけじゃだめだぞ
肥料は三種類あるんだからな
窒素は最悪鋼鉄でも作っていれば酸素から作れるから

 

65:名無しさん


長いわ
1行で説明しろ

 

72:名無しさん

>>65
虚淵玄がキューティー・ハニーをリメイクした

84:名無しさん


AI使って数兆細胞単位で植物細胞にニトロプラス移植やってみたらいいじゃん

一個でも生き延びたら勝ち

 

96:名無しさん


どうしたって共棲体でしかないんだよなあ
そうするとヒト含む動物1個体ごとに持つ魂やそれに類するものなんて存在してないんだろうな

 

117:名無しさん


窒素って単体では不活性無害なのに水素や酸素、炭素と結合した途端にめっちゃ有毒になるよな
ニトロ基とか不活性とは対極的な物資に変貌するし、不思議な物質だな