#3月に中国の上海半導体見本市に行った韓国のパッケージング装備企業代表は驚いた。遠くから「韓国のOO社の装備だ」と思ったのに、近くで見たら中国のブランドが付いていたためだ。その後韓国の素材・部品・装備企業代表が集まれば「10年以内にわれわれみんなだめになる」という嘆きが出てきた。
#エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は6月の台湾電子見本市コンピューテックスで「TSMCを囲む生態系は豊富でパッケージング技術は驚くほどだ」として台湾に投資を続けるとした。しかし広帯域メモリー(HBM)を供給するSKハイニックスとサムスン電子に対しては「メモリー供給企業、それ以上でも以下でもない」と一蹴した。
半導体の尻尾が胴体を揺さぶる「パッケージング革命」が始まった。チップを3ナノ(ナノは10億分の1)以下に小さくする微細化技術が限界に達し、ロジック、メモリー、センサーなど多様な複数のチップをまとめて性能を高めるパッケージング技術が人工知能(AI)半導体と高性能コンピューティング(HPC)のカギになった。これまで軽視されてきた半導体後工程であるパッケージングが革新の最前線になったのだ。ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)は最近の報告書で「先端パッケージングで価値を創出する企業を中心に、既存の半導体産業の構図が急激に変わるだろう」と分析した。中国がパッケージング素材・部品・装備の国産化に国の力を注ぎ、先端パッケージングに優れたファウンドリー(委託生産)世界1位の台湾TSMCの前にエヌビディアやアップルのようなビッグテックが長い列を作った理由だ。
韓国はこの革命の主体ではなくいけにえになるところだ。先端技術で押された韓国のパッケージング市場での世界シェアは2021年の6%から2023年に4.3%と低くなり、今年上半期の証券市場で半導体銘柄の好調が続く中でも韓国の後工程代表企業のネペスやハナマイクロンの株価はむしろ下落した。韓国のある素材・部品・装備企業役員は「韓国はHBMが得意というが、これをAI半導体に付着する先端パッケージングはすべて台湾で行われ、韓国の装備企業の10社に8社は売り上げが減った」と話した。産業通商資源部の資料によるとサムスン電子とSKハイニックスは先端パッケージング核心素材・装備の95%以上を海外に依存する。<中略>
◇先端は米国、低価格は東南アジアに…抜け落ちた韓国のパッケージング
先端パッケージングの核心顧客はエヌビディアやマイクロソフトのようなビッグテックだ。この市場を武器に米国政府は先端パッケージング技術を自国に吸い込んでいる。SKハイニックスは米インディアナ州にHBM用先端パッケージング生産基地を建設し、パデュー大学と研究開発協力に38億7000万ドル(約5685億円)を投資すると4月に明らかにした。サムスン電子も米テキサス州テイラーに先端パッケージングラインを検討中だ。
汎用半導体用伝統パッケージングは東南アジアが強う。米中対立で世界的に半導体供給網が再編され、マレーシアやベトナムなどに投資が集まる。5月にマレーシアのアンワル首相は53億ドルの半導体投資計画を明らかにし、「設計、パッケージング、テストなど6万人の半導体エンジニアを養成する」と話した。現在世界の半導体パッケージング市場の13%を占める自国の役割を増やすということだ。すでにインテルが70億ドルを投資してマレーシアのペナンにパッケージング施設を運営中だ。
先端技術に進む道は長く、伝統的な仕事は抜け出て行くため、韓国のパッケージング企業が集まる忠清道(チュンチョンド)は地域経済と雇用が揺れる危機だ。あるパッケージング企業代表は「われわれが望む方向と正反対に世界の半導体供給網が再編されている」と話した。ポステックのイ・ビョンフン教授は「人件費などの費用で韓国の伝統パッケージング競争力が消えており、先端パッケージングを育てなければならない」と話した。
韓国でパッケージングを強化するには場所と人材の問題も解決しなければならない。先月台湾TSMCは台湾・台南の工場を買収して先端パッケージング基地にすると明らかにしたが、ここは最先端半導体を生産する南部科学団地と隣接している。しかし韓国は京畿道(キョンギド)の華城(ファソン)、竜仁(ヨンイン)、平沢(ピョンテク)など既存のファブが位置する首都圏では各種規制によりクリーンルームを増やすのが容易でない。地方に行こうとすれば人材需給が難しい。
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