1:名無しさん




作物は糸状菌、細菌、ウイルス、線虫などの病原体によって病気にかかるが、これらの病原体に対して抵抗力を持つ性質を病害抵抗性と言う。病害抵抗性は品種によって異なり、抵抗力を示す品種は「抵抗性品種」または「耐病性品種」と呼ばれることもある。また、病気や害虫への抵抗力を合わせて「病害虫抵抗性」と表現されることもある。

病害抵抗性には、真性抵抗性と圃場抵抗性の2種類がある。真性抵抗性は病原体の侵入を完全に防ぐ質的な抵抗力で、主に単一遺伝子によって支配される。この抵抗性は特定の病原体レースに対してのみ発現し、新たなレースの出現によって抵抗力が失われることがある。一方、圃場抵抗性は、真性抵抗性が発揮されない場合に見られる量的な差であり、主に微動遺伝子が支配する。この抵抗性は病原体のレースに関係なく現れるが、気象や土壌などの環境条件の影響を受ける。例えば、イネのいもち病においては、圃場抵抗性が特定の菌系に特異的に発現することが知られている。

参考
https://lib.ruralnet.or.jp/nrpd/#koumoku=14521