クマ駆除をめぐり猟銃免許を取り消された砂川市の男性が、処分の撤回を求めている裁判。
2審で逆転敗訴となった男性が、上告審に向けた準備のため、新たな弁護団とともに発砲現場を訪れました。
池上治男さん)
「私は人を撃つってことはありえない。ヒグマだけ撃ったんですから」
砂川市のハンター、池上治男さん(75)。
2018年、クマを駆除する際、建物側へ発砲したとして道公安委員会から銃を持つ許可を取り消され、道に処分取り消しを求めています。
札幌地裁は2021年、池上さんの訴えを認めましたが、道はこれを不服として控訴。今年10月、札幌高裁は
「弾丸が跳ね返って建物に到達する恐れがあり周辺にいた3人の生命を危険にさらした」などとして一審判決を取り消し、池上さんの訴えを棄却しました。
池上治男さん)
「聞いていて考えられない。一般のハンターの人たちは発砲することすらできなくなりますよね。」
この判決を受け、道猟友会は自治体や警察がハンターの発砲の責任を負わない場合は、支部の判断でクマ駆除の要請を断ることを認める方針を示しています。
池上さんは2審での逆転敗訴を受け、最高裁に上告。自らもハンターとして活動する三重県の弁護士を新たに弁護団に迎え、11日、砂川市の発砲現場で当時の状況などを確認しました。
伊藤正朗弁護士)
「この状況で跳弾(弾丸が跳ね返る)の可能性と言われてしまうと、抽象的には可能性はあると思いますが、それを跳弾の可能性として捉えられるのであれば、かなりの部分で撃てなくなってしまう。」
池上治男さん)
「ハンターそのものと銃そのものを発砲できなくなるだろうということを懸念している。だからこれをほっとくわけにはいかないということで、上告して最高裁に判断を求めたい。」
https://news.yahoo.co.jp/articles/2cac1b282bdc68104a0ba266c919055de899cdab