1:名無しさん




・参考

 行き先はフィリピン中部のセブ島だった。

 待ち合わせとなった空港の喫煙所で出迎えた男性はサングラスをかけ、両腕からヒマワリなどの花をデザインした洋風の入れ墨をびっしりのぞかせていた。後で分かったが男は「箱」と呼ばれる20~30人単位のグループを束ねるリーダー格。後日逮捕され、全国ニュースでも度々報道された人物だった。

 空港を出て乗ったタクシーの行き先は、セブ島有数のにぎわいを見せる大型ショッピング施設「アヤラモール」から歩いて5分程度の豪華なホテルだった。建物は8階建て程度と記憶する。上層3階はほぼ貸し切り。ホテル到着後、連れて行かれたのは吹き抜けとなっていた最上階にある会議室のような部屋だった。二つあった。

 長机が十数脚あり、机一つに椅子が3~4脚。30人ほどがひたすら携帯電話で話し込んでいた。通信販売の顧客に対応するコールセンターに見えた。ただ「異様な雰囲気。皆が結構、ばかでかい声で通話口に向かって話し込んでいた」。聞こえてきたのは「警察だ」とか「警視庁特殊詐欺対策課です」と話す声。案内役の男は言い放った。「こういう仕事だよ。日本に電話をかけてお金を取る仕事だ」。闇バイトだった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/5752f3766b23426633dedb754ee7409853af40e3