1:名無しさん




アカウキクサの近縁種としては、オオアカウキクサ(Azolla japonica Fr. et Sav.)が知られており、世界では6~7種が分布するとされる。ただし分類は混乱しており、種の境界が明確ではない。さらに、日本では外来種の流入と繁殖が進んでおり、実際に目にするアカウキクサの多くが本来の在来種ではないと考えられている。

アイガモ農法では、自然発生する雑草だけではアイガモの餌が不足することから、補助的にアカウキクサ類を導入する場合がある。この際、北米原産の外来種であるアメリカオオアカウキクサ(A. cristata)や、同種とニシノオオアカウキクサ(A. filiculoides)の人工雑種であるアイオオアカウキクサなどが利用されることも多い。その結果、現在の日本ではどれが本来のアカウキクサなのかが分からない地域が増えており、在来種が外来種や雑種に置き換わっている可能性が高いとみられている。両者の外見上の差が小さいうえ、近縁種同士の交雑も進んでいるため、現状の把握が極めて難しくなっている。

こうしたアカウキクサ類の繁殖は、農業用水路やため池、堀など、農耕とは直接関係のない場所でも確認されている。わずかな個体が侵入しただけで急速に増え、水面全体を覆い尽くして真紅に染めることもある。繁殖が進むと水中の光や酸素が遮られ、水質悪化の原因となることが指摘されている。

2024年6月には、岡山県玉野市のため池で、アカウキクサが大量に繁殖して水面を赤く覆った結果、これを「赤い土」と見間違えた小学1年生の女児が池に転落する事故が発生した。女児を助けようとした80歳の男性が溺れて死亡し、アカウキクサの繁殖が思わぬ悲劇を招いた例として報じられている。なお、女児は自力で岸に上がり無事だった。

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