豚肉の生食は食中毒の恐れがあり、禁止されている。にもかかわらず、加熱が不十分とみられるトンカツがごく一部の飲食店で提供されている。こうした情報が国や生産者団体に寄せられており、国などは、豚肉は十分加熱して食べるよう呼びかけている。
「ピンク色のレアがすてき」「断面がピンクで美しい」――。こんな文言とともに、肉の中心部が十分に加熱されていないように見えるトンカツの画像がSNSに複数投稿されている。「レアトンカツ」などと呼ばれ、提供する店が目立っているようだ。
しかし、こうしたトンカツは食中毒の危険性がある。内閣府食品安全委員会委員の香西みどりさんは、「中心部が白っぽくならずピンク色の状態は十分に加熱されていない」と指摘する。
厚生労働省は豚肉の加熱方法について、中心部を75度で1分以上加熱することを求め、中心部の色が白っぽく変化することを目安としている。同委員会の調査では、180度の油で厚さ1センチのトンカツを揚げた時に中心温度が75度となったのは、約3分後だった。厚さ2センチの肉を揚げた時は6分以上かかった。さらに厚い肉はより時間がかかるが、衣が焦げるため、十分に加熱するには技術が要る。
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