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BYD、実質的な純負債3,230億元との報道──サプライチェーンファイナンスに潜むリスクをGMT Researchが指摘

2024年1月20日、米ブルームバーグは、中国の電気自動車(EV)大手であるBYD(比亜迪)について、実質的な純負債が3,230億元(約6.6兆円)に上る可能性があると報じました。同報道は、香港を拠点とするショートセル機関GMT Researchの分析を引用しています。GMT Researchは、BYDがサプライチェーンファイナンスに過度に依存している実態に警鐘を鳴らしています。

■ GMT Researchの主張:負債の過小計上と財務リスクの潜在化

1月10日に発表されたGMT Researchのレポートによれば、BYDはサプライチェーンファイナンスを通じて、実質的な負債の一部を帳簿上に反映させていない可能性があるとされています。具体的には、販売に伴う売掛金や90日以上の未払い買掛金を含めて再計算した結果、同社の純負債は2024年6月末時点で3,230億元に達すると試算されました。

一方で、BYDが公式に開示している純負債は277億元であり、両者の間には2,900億元以上の乖離が存在しています。GMT Researchは、こうした手法により、財務状況が実態以上に健全に見えるよう調整されていると指摘しています。

■ サプライチェーンファイナンスの仕組みと課題

サプライチェーンファイナンスとは、企業が自社の信用力を活用し、取引先(サプライヤー)への支払いを金融機関などに肩代わりさせることで、実質的な支払いを繰り延べる仕組みです。これにより、企業はキャッシュフローの改善を図る一方で、外部からはその実態が見えにくくなります。

BYDの場合、2023年時点でサプライヤーへの平均支払期間は257日に達しており、一般的な決済周期(45~60日)を大きく上回っています。この異常な支払い猶予は、流動性リスクや信用リスクの増大につながる可能性があります。

■ 投資家への影響と市場評価への懸念

GMT Researchは、サプライチェーンファイナンスの過度な利用が、BYDのデフォルトリスクや財務的脆弱性を隠す結果につながっていると指摘しています。これにより、投資家は同社の真の財務状況を正確に把握できず、適切な投資判断が困難になる恐れがあります。

また、これらの要素が株価の過大評価につながっている可能性も示唆されており、市場関係者の間で注視すべきリスク要因として認識されつつあります。

https://www.bloomberg.com/news/articles/2025-01-19/byd-s-supply-chain-financing-masks-ballooning-debt-gmt-says