京都市伏見区の伏見稲荷大社で、鳥居前に立つ外国人観光客が紐の先に玉を付けた道具を回す様子を撮影した動画が、SNS上で急速に拡散した。投稿者はこれをマオリの伝統的なパフォーマンス「ポイ」とみなし、「神社を自分のステージにするな」と強く批判。動画は公開から短時間で数百万回の閲覧を集め、外国人観光客の日本文化への敬意をめぐる議論を呼び起こしている。
問題の動画は9月6日、X(旧Twitter)ユーザーの砂川泉氏(@Izumi_Sunagawa )が投稿したもの。伏見稲荷大社の鳥居前で、複数の男女がポイを手にリズミカルに回しながら動く姿が写されている。ポイはニュージーランドの先住民マオリの伝統的な道具で、紐の先に玉を付けて両手で回すもの。もともと手首の柔軟性を養う訓練や儀式、歌舞の一環として用いられ、現在はカパハカ(マオリの舞台芸術)などで広く知られる。動画の人物がマオリ出身とみられる点から、投稿者をはじめ多くの人が「自文化を神聖な場所で無許可に披露した行為」と受け止めた。
これに対し、新日本プロレス所属のマオリ系レスラー、HENARE氏(@HenareNZ )が迅速に反応した。HENARE氏は「マオリの慣習では、神聖な場所で踊ることも禁じられている」「こうした行為はマオリ文化を反映したものではなく、敬意を欠いたまま注目を集めようとしているに過ぎない」「伝統的に、このような行為は罰せられることになっていた」と説明。「すべてのマオリを代表して、心よりお詫び申し上げます」と謝罪した。さらに同氏は「今回の人たちは、マオリの伝統や慣習をまったく反映していない。彼らのほとんどは、私たちの伝統を教えられてこなかったキリスト教徒だ」「これはただ無知な3人の行動に過ぎない」と強調。自身が日本に10年以上住む高貴な家系のマオリであることに触れ、加害者の身元を特定して連絡を取ったことを明らかにした。「謝罪として、伏見稲荷大社へ多額の寄付を行うよう、彼らに要請した。応じない場合は私が自ら寄付を行う」と述べ、責任ある対応を示した。
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