1:名無しさん




ここで注意したいのが、この偏差値を計算する際、得点の分布(グラフ)が数学的にきれいな山型(専門用語で「正規分布」)を想定している点である。このため、実際の得点分布がこのきれいな山型から外れていると、極端な「偏差値」になることもある。例えば100を超えることもある。次のようなケースだ。

試験を受けた100人のうち、99人が0点となり、1人だけが100点をとったとする。このとき、平均点は1となり、標準偏差は

となる。このとき100点を取った人の偏差値は

となり、100を超えてしまうのである。

これとは逆に、偏差値がマイナスになることもあり得る。100人のうち、99人が100点、1人が0点だったとき、0点の人の偏差値は-49となる。

日本では「偏差値教育を是正せよ」という言葉があるように、偏差値は悪いイメージで語られることが多い。しかしこれまで見てきたように、偏差値とは参考になるデータではあるが、単に統計データの一つの整理法にすぎないのである。

https://www.nikkei.com/article/DGXNASFK06008_W2A900C1000000/