1:名無しさん




伊藤祐一郎氏(以下敬称略) エンベデッドファイナンスとは、これまで金融業界と縁のなかった企業が、自社の非金融サービス内で金融サービスを提供することを指します。例えば、2019年にフリマアプリ大手のメルカリが開始したスマートフォン決済サービスの「メルペイ」がそれに当たります。

 金融業界専門のリサーチ会社である英Juniper Researchのリポートによると、エンベデッドファイナンスの市場規模は2024年時点で決済領域を中心に920億ドルに達しており、2028年には約2.5倍の2280億ドルに拡大すると予想されています。すでに市場規模の大きい金融業界において、これほど成長が見込まれるのは極めて珍しいことです。金融領域への参入を考える企業にとっては大きな事業機会といえます。

──「空港で海外旅行保険に加入する」といったような従来型の金融サービスとは何が違うのでしょうか。

伊藤 従来のアプローチは、空港のような大きな需要が見込める特定の場所において、金融機関がカウンターや出張所を置いて金融サービスを提供する形でした。一方、エンベデッドファイナンスは、それを「デジタルを活用して実現するもの」と考えてもらえれば分かりやすいと思います。

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