1:名無しさん




今回の参院選の結果は、日本の政党政治がこれまで経験したことのない局面に入ったことを示しています。定数125議席の争いで、自民党は39議席と大きく減らし、公明党も8議席に後退。与党は非改選を合わせても参院で過半数を確保できず、衆参両院で少数与党となる事態は、自民党結党70年の歴史で初めてです。

もともと衆院は小選挙区制導入によって政権交代可能な二大政党制を志向してきましたが、参院はその枠外にあり、選挙のたびに「ムード選挙」のような形で予想外の議席変動を繰り返してきました。今回もその典型で、与党の不人気によって票が流れたものの、立憲民主党には集まらず、国民民主党や参政党といった新興・中堅勢力の伸長が目立ちました。結果として野党は右から左まで幅広く分散し、共闘の糸口も乏しいのが現状です。

与党が過半数を割り込み、野党が分裂したままでは、国会運営は停滞しやすく、政策決定のスピードも鈍るでしょう。つまり日本の政治は、二大政党制を模索した1990年代とも、自民党一強が続いた2010年代とも異なる、まさに「未体験ゾーン」に突入したといえます。

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