日本人におなじみのシチューが何かと聞かれたら、「クリームシチュー」を挙げる人も多いのでは? 白い見た目が特徴の食べ物ですが、じつは世界的に見るとなかり独特の進化を辿ったメニューなのだとか。
日本でクリームシチューが浸透した理由をハウス食品(本社:東京都千代田区)に聞きました。
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クリームシチューの登場は明治時代に遡ります。ハウス食品によると「明治時代のなかごろから、レストランメニューとして登場し始めたと伝わっています。1900年代初頭刊行の本『新撰和洋料理精通』に“かぶのスチウ(シチュー)”というレシピが紹介されているほか、『滋味に富める家庭向西洋料理』という料理本にもクリームシチューのような食べ物が登場しています」とのこと。
とはいえ高級料理のひとつにカテゴライズされており、一部の人にしか知られていなかったといいます。庶民にも知れ渡ったのは、第二次世界大戦後なのだとか。
「戦後という食糧事情がよくない時代に、子どもたちに栄養のある食事を与えようと政府が先導して作ったのが原作のクリームシチューの原型だと言われています」(ハウス食品)
1966年になると、同社が「クリームシチューミクス」という顆粒状(当時は粉末状)のシチューの素をリリース。これ以降、クリームシチューは日本人の間で本格的に浸透していったと言われています。
一般的にシチューの起源はフランスと考えられており、ドイツの「ルーラーデン」やイギリスの「オックステイル・シチュー」など世界には様々なシチューが存在。色においては濃淡あるものの、いずれもブラウン系です。ではなぜ日本のクリームシチューは「白」なのでしょうか。
「戦後の学校給食のシチューには脱脂粉乳が使われており、白濁していたため『白シチュー』と呼ばれていました。クリームシチューミクスは、当時の担当者が給食で食べていたという白シチューを『家庭で簡単に作れる粉末製品で再現できないか』と一念発起し開発されました」(ハウス食品)
https://news.yahoo.co.jp/articles/fba80455e7ab47ce67a36f8e06f1b6379775cf90
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