1:名無しさん




こうして新たな“告発”があったとしても、ファーウェイの問題は依然として国家がサプライチェーンを巡るセキュリティ問題にどう対処すべきかという点に集約されるだろう。技術的なツールのメーカーや生産環境が信頼できない場合、その機器にバックドアが隠されていたり、ほかの根本的な欠陥が入り込んでいたりする可能性を考えなくてはならないのだ。

この点に関しても、米国の例を挙げればこと足りる。2013年の報告によると、米国家安全保障局(NSA)が、シスコやジュニパーネットワークスなどの法人向けIT機器を物理的に傍受したり、技術的なバックドアを追加したりしてデータアクセスを強化していたことが明らかになっている。

それこそが、英国のような部分的な緩和策によって民間企業にまつわるリスクを管理することが、極めて困難な理由だ。市販のデヴァイスに意図的なバックドアが紛れていないか入念に調べるのは、とても難しい。特に、ほとんど感知できない方法で暗号化アルゴリズムを弱体化させるような設計が施されたものであれば、なおさらだろう。

コードの正確なリヴァースエンジニアリングによってシステムの働きを正しく理解した上で、暗号文を徹底的に数理解析する必要がある。これらのプロセスがいくら網羅的であろうと、巧妙に設計された欠陥が検出をすり抜ける可能性は常にある。

「データの安全性を確保するために、使用しているデヴァイスの暗号コードを完全に監査することは不可能なのです。それをすべての組織は理解し、受け入れるべきです」と、元NSAのアナリストでセキュリティ企業Rendition Infosecを創業したジェイク・ウィリアムズは語る。「政府機関によってハードウェアに侵入された可能性を示す歴史は世界中にあります。したがって、もしバックドアが仕掛けられていたとしても、リスクが最小の機器を選ぶ必要があります。サプライチェーンのセキュリティには弱点がありますから」

https://wired.jp/2020/02/14/huawei-backdoors-us-crypto-ag/