1:名無しさん




「犬矢来(いぬやらい)」とは、主に京都の町家などで見られる、建物の軒下に設置された斜めの柵のことを指します。名前の由来は、その昔、犬が家の外壁や柱に放尿するのを防ぐために設置されたことからきています。ただし、犬矢来の役割はそれだけにとどまりません。

この柵は、道路と建物の境界を示すものであると同時に、雨の泥はねや砂利の跳ね返りから建物の外壁を保護する機能も果たしています。特に雨水が柱や壁に直接かかると、木材の腐食が進みやすくなるため、それを防ぐという意味でも犬矢来は重要な存在です。そのため、多くの犬矢来は緩やかなカーブを描いており、雨や小石が直接壁に当たるのを避けるような構造になっています。

見た目としては、竹を材料にしたものが一般的で、これは町家の伝統的な意匠とも調和し、美観の面でも評価されています。一方で、近年では金属製の犬矢来も登場しており、防錆や耐久性に優れた素材が使われるようになっています。さらに、表面に塗装を施すことで、材質が一目ではわからないように工夫されているものもあります。

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