1:名無しさん




「いただく」という語の語源は諸説唱えられてきたものの、いまだ定説はない。この語は、元来、人間の「いただき」である頭上に載せる動作を指す普通語であったが、目上の人から物を賜る時に、それを高く掲げ、謹み(つつしみ)や感謝を表現して受け取ったことから、やがて「もらう」「買い受ける」を意味する謙譲語となっていった。食べ物を「いただく」という場合、改まった式の日の食事で、神の前か貴人の前で、同時に同じものを食するときに言ったもので、もともとは食物を頭か額にまで掲げていたと考えられる。中世に位階が細かくなると、人と会えばどちらかが目上であるということになり、また、相手を目上と思って尊ぶことを礼儀とするようになってからは、「いただく」機会は激増し、この謙譲用法は確立されていった。「食う・飲む」の謙譲語としての「いただく」は、室町末以後に成立した狂言に使用例がみられる。したがって本来は、飲食物を与えてくれる人、または神に対しての感謝の念が込められていたと考えられる。

「いただきます」と「食べる」の語源の類似性が指摘されることがある。これは、神仏・貴人からいただく、すなわち「たまふ(給う)」という謙譲語から「たぶ」という古語が生まれ、これが変化して「食べる」の語源となったという説である。

食事前の挨拶以外の挨拶語としての「いただきます」は、食事前の挨拶としては「いただきます」を使用していなかった尼門跡で、正月行事の源氏かるたで札を取る時に「いただきます」という挨拶を行っていた記録が残っている。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%84%E3%81%9F%E3%81%A0%E3%81%8D%E3%81%BE%E3%81%99