1:名無しさん




 2010年、スーパーサイエンスハイスクール指定校の桐生高校の授業支援を契機に、基礎研究がスタート。シイタケとの比較で、菌糸成長の速さや木材を腐朽する力などを分析し、特徴をつかんだ。

 平井町にある研究所そばのスダジイ林で原木栽培にも挑戦。イチイガシなど5種類の原木に菌を接種、培養し、これを林内の土壌に伏せ込み、キノコの発生を待った。

 その結果、接種から7年(伏せ込みから6年)経過した17年10月、ようやくキノコの発生が確認された。「諦めかけていた」と、牧野さんは振り返る。その後、発生は毎年続き、菌床栽培でも確認がとれた。

 「イチイガシのほだ木の表面には『偽菌核プレート』と呼ばれる黒い膜のようなものが形成され、害菌や害虫から内部をガードしている。成長は速いが材の腐朽は遅いという生態と考え合わせれば、キリノミタケの生存戦略も見えてくるのでは」と、中澤さんは指摘する。

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