1:名無しさん




―― 国際女性デーにあたって「女性」について考える際、重要なことは何でしょうか?

男性に比べて副次的な存在とみなされがちな女性に光をあてることは、非常に重要です。まず、女性やジェンダーについてお話しする前に留意しておきたい点があります。ジェンダー(gender)とは、生物学的な性差(sex)に対して、社会的に構築された性別を指す概念です。ジェンダーには、男性・女性に本質的な違いがあるとの認識のもと、男性はこうあるべき・女性はこうあるべき、という規範的な期待も含まれています。社会的・歴史的に構築されたジェンダーの規範は、人々のあいだで共有され、内面化されてきました。しかし、ジェンダーに注目した数多くの研究が指摘してきたように、人間を男性・女性の2つのカテゴリーに分けて捉える思考や言葉遣いには、弊害があります。たとえば、男性・女性という区分に必ずしもあてはまらない、セクシャルマイノリティといわれる性的少数者、そして同じカテゴリーの中にもある差異や多様性が排除されてしまうことが懸念されます。

多様性を大事にするためには、二分法に基づいた偏見や言葉遣いを見直し、将来的には解消していくことが望ましいと考えています。その一方で、男女別の統計や分布が示す通り、男性・女性の間には大きな格差があり、明らかに女性のほうが不利な状況に置かれていることも事実です。したがって現状では、二分法のジェンダーの思考を解消するための過程として、男性・女性というカテゴリーを使わざるを得ないでしょう。国際女性デーをきっかけに女性に注目することはとても重要ですが、私たちはジェンダー不平等を解消するための道の途中にいる、という認識を持っていたいと思います。

https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/features/z0405_00028.html