1:名無しさん




品質管理の重要度が高まっている背景の中、中国製品の品質について懐疑的な態度をとる研究が圧倒的に多く蓄積されている。新宅(2006)は、現時点で、中国企業による製品の品質はまだ全般的に低いレベルにあり、その点では脅威にならないと指摘している。また、中国工場の製造部長として働いた遠藤(2008)は「中国製部品に関して、「安かろう、悪かろうの時代はもう終わった」とよく言われている。それは間違ってはいないが、安心できる状況でもない。部品メーカー側の不注意やノウハウの欠落によって、想像を絶するような不具合が発生し、大損失を出してしまう事例がまだまだある」と述べている。さらに、中国質量管理協会の副会長を務めた馬(2009)は「我が国の製品品質は過去に比べると向上したが、国際的なレベルと比較すると、まだまだ大きな開きのある分野がある」と主張している。具体的には、第1 に、中国の製品標準の水準が低く、国際標準を採用している品目は60%に満たない、第2 に、品質監督機関による抜き打ち検査の合格率は80%前後で推移している、第3 に、品質問題に対する政府の監督管理が不十分で、品質問題発生時の企業の責任も必ずしも明確化されない、第4 に、食品の品質、安全性に関わる事故の多発している、という4 つの課題がある。また、吉城(2009)は、米国において「China Free」なる言葉が出ている程、中国製品の品質への評価は厳しいものとなっていると述べている。さらに、2015 年より、日本において、中国人による「爆買い」でインバウンド消費が注目されている。中国人が爆買いするのは、中国人が自国で売られているものには全く信頼を置いていないからである(中島,2015)。李(2015)によれば、中国企業の品質発展基礎は希薄であり、製品の品質状況や経済発展状況は国際先進水準と比べるとまだ大きな差がある。品質問題は中国経済発展を制約する大きな問題であるという。呉・朱編(2015)は、中国製造は品質と精度が高くないという問題を普遍的に抱えている。その背後には、「ほぼ差がない」と「早くお金を稼ぐ」という功利主義の潜在意識がある。品質の面について、「国や地域によっては、「中国製」は粗悪品を意味する代名詞にもなっており、国の信用とイメージを大きく傷つけている」と国務院編(2015)は指摘する。武漢大学品質発展戦略研究院(2015)によると、世界製造業の総生産額の 70%以上を占める 15国の製造業品質競争力の比較分析をすると、中国製造業全体の競争力は 13 位を占めている。スイス、日本、アメリカ、ドイツなどの国との差が極めて大きい。その根本原因は、中国製造業の製品品質のレベルが低いため、市場競争力が強くないという。最後に、長谷川(2016)は、「中国製品の品質は、中国人も信用していないのが現実だ」と主張している。以上のように、中国製品の品質に対して懐疑的な態度をとる先行研究が数多く蓄積されている。

https://da.lib.kobe-u.ac.jp/da/kernel/D1007689/D1007689.pdf